「なぜ死に魅入られてしまったのか?」<br />プリンセスたちと摂食障害の深い関係。 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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「なぜ死に魅入られてしまったのか?」
プリンセスたちと摂食障害の深い関係。

摂食障害になった女性たちとの30年余りの交流の軌跡が話題の書に!

 話はかなり古くなりますが、鎌倉幕府の創始者・源頼朝に大姫という娘がいました。北条政子との最初の子です。

 彼女は父の政略により、幼くして源義仲の長男・義高のいいなずけになったものの、やがて破談。頼朝が義仲を滅ぼし、義高も殺したからです。彼女はそのとき、5、6歳でしたが、激しいショックを受け、水さえも受けつけなくなりました。

 その後、絶食状態からは回復したものの、鬱(うつ)や不眠が慢性的に続き、病弱なまま成長。それでいて、貴族との縁談を勧められると自殺をほのめかして拒絶するような、母譲りの気丈さも示します。そして、後鳥羽天皇の后となる話が進行するなか、それを否とするかのように二十歳前に病死してしまうのです。

 彼女が今でいう拒食症だったかどうかは、わかりません。ただ、それに似た病であっても不思議ではないでしょう。というのも、彼女が生きた時代の約200年前に書かれた『源氏物語』に、ストレスで瘦せ、さらには命まで落とすような女性が何人も登場するからです。

次のページ現代の瘦せ姫に通じる精神性を強く感じさせるのが、宇治の大君。

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エフ=宝泉薫

エフ ほうせんかおる

1964年生まれ。主に芸能・音楽、ダイエット・メンタルヘルスについて執筆。1995年に『ドキュメント摂食障害―明日の私を見つめて』(時事通信社・加藤秀樹名義)を出版。2007年からSNSでの執筆も開始し、現在、ブログ『痩せ姫の光と影』(http://ameblo.jp/fuji507/)などを更新中。2016年に『瘦せ姫 生きづらさの果てに』を出版し、話題となる。

 

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瘦せ姫 生きづらさの果てに
  • エフ=宝泉薫
  • 2016.09.10